こんにちは。
やまびとノートの中の人、オシマです。
エキゾチックレザーって、どんな革?種類はどれくらいあるの?
このようなお悩みについて、以下の内容にまとめて答えていきますね。
エキゾチックレザーとは、家畜(牛・豚・馬・羊など)以外の脊椎動物から得られる革の総称のことです。
レアレザーとも呼ばれ、以前はワニ革を中心とした爬虫類の皮革製品を指していましたが、定義が見直されて鳥類、魚類、哺乳類が含まれています。
代表的なエキゾチックレザーとして、クロコダイル・トカゲ・オーストリッチ(ダチョウ)・ゾウがあげられます。
この記事でわかること
- 一般革とエキゾチックレザーの違い
- エキゾチックレザーの種類と簡単な特徴
それでは、上記2点について紹介していきますね!
一般革とエキゾチックレザーについて
バッグや財布などさまざまな用途に使われている革ですが、革の種類は大きく一般革とエキゾチックレザーの2つに分類されます。
- 一般革…家畜の副産物として得られる革
- エキゾチックレザー…家畜以外の脊椎動物から得られる革
エキゾチックレザーは別名レアレザーとも呼ばれ、爬虫類・鳥類・魚類・哺乳類の4種類に分かれます。
自然に生きている生物を捕獲し、皮を採取することもあるため、その利用や流通にはワシントン条約などの厳しいルールが定められています。
ワシントン条約とは
ワシントン条約とは、絶滅の恐れがある野生の動物や植物を保護することを目的とし、現在183の国々(2020年11月現在)が加盟しています。
規制の対象は、指定動物から採取できる産物(皮・毛皮・骨・血液など)、これらを加工した製品すべてが含まれており、日本では「JRAマーク」の表記がある製品が、条約に基づき正しく輸入された革の証明となっています。
エキゾチックレザーの種類
一般革とは違い、革の表情や手触りが特徴的なエキゾチックレザーを、以下の4種類に分けて紹介していきますね。
- 爬虫類
- 鳥類
- 魚類
- 哺乳類
爬虫類 ワニ・トカゲ・ヘビなど
エキゾチックレザーの代表格・爬虫類革の特徴は、水に弱いということ。
水の中に住んでいる生き物なので水気なんて気にしなさそうですが、びっしりと覆われたウロコの下にある皮は意外とデリケートです。
なめしや加工の方法によってはあまり気にしなくてもいいですが、取り扱いには、気をつけてくださいね。
ワニ革
Photo by Rajeevan MSN on Unsplash
ワニ革は、エキゾチックレザーの中でも最高ランクに位置づけられます。
主に流通しているワニ革は【クロコダイル・アリゲーター・カイマン】の3種からつくられています。
とくにクロコダイルの人気が根強く、希少性と牛革よりも10倍強いといわれる強度、凹凸のある独特の革の表情から”革のダイヤモンド”と呼ばれ、世界中に多くの愛好家がいます。
自然の中で生きてるワニから皮革にすることは珍しく、現在は約9割の革が養殖のワニから採取され、流通してます。
トカゲ革(リザード)
Photo by Joshua J. Cotten on Unsplash
凹凸の主張があるワニ革とは異なり、リザードの革の特徴は細かく揃っているウロコ模様にあります。
ワニ革よりもリーズナブルな価格で流通しているので、
ワニ革の派手さはちょっとな、、それに高くて手が出しにくい。。
という方はトカゲ革に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ヘビ革
ワニ革に次ぐ高級革として有名なヘビ革。
多くの種類がヘビ革として流通していますが、スネーク(全長1m前後)とパイソン(全長2~4m前後)に分かれます。
ヘビは古来から神の使いとして金運が上がると言われています。
わたしが小さい頃、ヘビの抜け殻を財布にいれるとお金持ちになれるよ!
という話をきき、空き地で拾った抜け殻を大事に入れたのを思い出します。
カメ革(ウミガメ)
タートルレザーと呼ばれ、主にアカウミガメとアオウミガメから採取される革のことを指します。
現在はワシントン条約により国際間での取引が禁止されており、日本ではリメイクや中古品が出回っています。
ウミガメのどこから革を…?
と思われるかもしれませんが、甲羅の中の胴体部分や足から皮を採取するようです。
カエル革
Photo by Robert Zunikoff on Unsplash
カエル革はフロッグレザーとも呼ばれ、ウシガエルやオオヒキガエルなど身体の大きな種からつくられています。
カエルの種にもよりますが、イボがあったり、色あいが独特な革の表情と薄くて柔らかい特徴を持ち合わせていますよ。
「カエル」という語呂がさまざまなシーンで使われているように、カエル革にも「お金がカエル」「恋人がカエル」などの縁起物として使う方もいます。
鳥 類
オーストリッチ革(ダチョウ)
オーストリッチ革は、地上で最も大きな鳥ダチョウから採取されます。
羽毛の跡が突起してできるクイルマークというつぶつぶの表情が特徴的ですが、革の中心に40%割程度現れ、この部分を使用して製品化されます。
足の部分をなめした革はオーストレッグレザーと呼ばれ、爬虫類のようなうろこ状の表情が特徴です。
肉も羽も活用できることから、南アフリカを中心に養殖が行われており、日本では身体が一回り小さいエミューの養殖を行う農家さんが増え、国内産のエミュー革が流通していますよ。
魚 類 サメ・エイなど
サメ革(シャークスキン)
Photo by Nariman Mesharrafa on Unsplash
サメ革は海の生き物なので水に強く、しなやかで丈夫な性質を持ち、連続した独特の凹凸とシボ、ザラっとした質感が特徴的です。
使い込んでいくと凹凸の凸(表面に出てくる部分)にツヤが出るサメ革ならではの経年変化が見られ、この変化を好む愛用家も少なくありません。
また、他の皮革とくらべて革にするまでに特殊な技術が必要で、加工や染色に多くの時間を費やすため希少性の高い革となっています。
サメは養殖ができないため、すべてが自然の中で生きている個体から採取されることもポイントのひとつです。
エイ革(スティングレー)
Photo by Chad Taylor on Unsplash
エイ革はおもに食用として捕獲されるアカエイから採取されます。
がっちりとした硬い質感と宝石をちりばめたようような美しさから、古来より「泳ぐ宝石」や「海の宝石」と呼ばれていました。
革の組織は人の歯と同じカルシウムでできており、基本的に手入れは必要ありません。
革の中心部に少しだけ現れる「スターマーク」という白い斑点が1匹につき1か所あり、スターマークを活かしたデザインが人気です。
ウナギ革(イールスキン)
和食としてとても人気なうなぎですが、食用ではないヌタウナギ・アブラウナギという種の皮が原料になります。
ウナギ革は「海の絹」と呼ばれる滑らかな質感とツヤ、素材は軽く、革の中央に縞模様があることが特徴です。
水の生き物なので、もちろん水気にも強いです。
魚革
魚革(フィッシュレザー)は、わたしたちが食べている魚の皮をなめし、革にしたものです。
日本ではアイヌ民族がサーモンの皮をなめし、衣類や靴、小物をつくっていました。
魚の皮は、食べるか捨てるかでしたが、これらに加え、”なめして革にする”という選択肢があることが面白いですよね。
哺乳類 ゾウ・アザラシ・オットセイなど
ゾウ革
Photo by Harshil Gudka on Unsplash
ゾウ革(エレファントレザー)は耐久性がとても優れており、摩擦にも強く、そしてなにより希少性が非常に高い革です。
身体の部位ごとに特有のシワがあり、使い込むと銀面のツヤ増しを楽しむことができます。
前述したワシントン条約で厳しく規制されており、一部の国(ボツワナ、ナミビア、南アフリカ、ジンバブエ)から日本への輸入が、数を制限されつつ行われています。
シール革(アザラシ・オットセイ)
アザラシやオットセイ、アシカなど、海獣から採取できる革のことを一般的にシール革(シールスキン)と呼びます。
シール革の特徴は弾力のある厚み、丈夫で高い耐久性、そして波を打ったようなホリの深い革模様があります。
ワシントン条約によって管理されていますが、漁業等に被害を及ぼすため、北海道では毎年一定の数を捕獲しています。
カバ革
Photo by Anders Jacobsen on Unsplash
カバ革(ヒポレザー)は、ゾウ革と見た目・質感が似ており、耐久性に優れ、水気にも強い特徴があります。
テレビや動物園でみる印象とは裏腹に獰猛な性格なので、キズが多く入っています。
カバ革もワシントン条約の規制がかかっており、流通量が少なく、かつ知名度も高くないために入手がとても難しい革になります。
カピバラ革(カーピンチョ)
カピバラ革は水に強くてしなやかで、ドット模様のような表情が特徴的で主に手袋の素材として使われています。
アルゼンチンなどの一部地域で食されており、その副産物として革が流通しています。
カンガルー革
Photo by Suzuha Kozuki on Unsplash
カンガルー革(カンガルーレザー)は見た目こそ牛革と似ていますが、革の密度が高いため強度は牛革の約2~3倍あり、軽く、とても柔らかい特徴があります。
カンガルー革のほとんどがオーストラリア産で、近年個体数管理のために捕獲数が増え、肉や革が入手しやすくなっています。
加工のしやすさもあり、プロスポーツ選手(主にサッカー)のシューズ素材として使われていますよ。
鹿革
Photo by Diana Parkhouse on Unsplash
鹿革(ディアスキン)は皮の繊維が非常にこまかく、通気性や吸湿性などに優れ、”革のカシミヤ”とも呼ばれています。
革といえば牛革という印象がありますが、日本では遡ること飛鳥時代から鹿革を使用しており、武具や生活用品などに幅広く利用されていました。
近年では個体数管理のために捕獲数が増え、鹿革を使用したブランドが日本の各地域で増えています。
イノシシ革
イノシシ革(ワイルドボアレザー)は、耐久性・耐水性に優れ、手入れをほとんど必要としない特徴を持っています。
ヨーロッパでは「孫の代まで使える革」として親しまれています。
日本では鹿と同様に個体数管理のためイノシシの捕獲数が増え、少しずつですがイノシシ革を使用したブランドも生まれています。
まとめ
家畜から副産物として採取できる一般革と、その他の脊椎動物から取れるエキゾチックレザーについてまとめてみました。
エキゾチックレザーは高価なものが多いですが、国内で生産化されているジビエレザーなど、比較的手にしやすいものもあります。
ワニ革とかヘビ革は知ってたけど、海獣の革とかもあるんだ…!
といった、新しい発見が得られましたら幸いです。
コメント