こんにちは。
やまびとノートの中の人、オシマです。
ディアスキンって、どんな種類があるの?エルクレザーとかカリブーも鹿革?
このような疑問について、答えていきますね。
鹿革の種類について
少しかたい話になりますが、”シカ”を学術的に分類すると、偶蹄目(ぐうていもく)シカ科に分類されます。
小さなキョンのような鹿から大型のヘラジカまで、世界中に約30数種のシカが生息していますが、これらの革を総称して”ディアスキン”と呼びます。
ディアスキンの中でも革に特徴があったり、ブランディングによって固有の名前がついているものがありますが、以下に代表的なディアスキンレザーをピックアップしました。
- カリブーレザー(北アメリカの呼称:トナカイのこと)
- レインディアスキン(トナカイの家畜:主にヨーロッパ)
- キョンセーム
- エゾシカレザー(ニホンジカの亜種:北海道に生息)
- エルクレザー(ヘラジカのこと)
現在流通している鹿革のほとんどは、ニュージーランドや中国で家畜化(養鹿)されたシカの革が出回っており、その主な種類はアカシカ、ニホンジカ、ルサジカ、ダマジカです。
上記の通り、”ディアスキンレザー”はいろんなシカから革がつくられていますが、その革の特性は生物的な種が近いことから似通っており、”革のカシミヤ”と呼ばれるような軽さ、しなやかさ、しっとりとした手触り感を生み出しています。
鹿革の加工・名称について
鹿にはオス、メスによって革の名称が異なったり、革の特性を活かした加工法に名称がついています。
- スーパーバックスキン
- ディアスキンヌバック
- ディアスキンスエード
- セーヌ
これらを紹介していきますね。
スーパーバックスキン
ディアスキンの中でも牡鹿(オス)の銀面(革の表面)を起毛させた革をスーパーバックスキンといいます。
”スーパー”とは、「本物の」という意味で、いまではとても希少な革になります。
牡鹿は主に繫殖期に戦い、皮には角で争ったキズなどが多くあることから、あえてキズを削り革として加工しやすくしています。
なかでもカナダ南部から南米に生息しているオジロジカのスーパーバックスキンが高級とされていますよ。
ディアスキンヌバック
スーパーバックスキンと同じように、銀面を起毛させた鹿革のことですが、雄雌混合のものをディアスキンヌバックといいます。
牛革にも銀面を起毛させたヌバックはありますが、鹿革のヌバックはきめの細かさ、もっちりとした手触りの良さに現れます。
鹿革の特性である軽さと、ヌバックの特徴である傷に強い(銀面がないので傷が目立たない)ため、バッグや靴などに使用されています。
ディアスキンスエード
ディアスキンスエードは、裏面を起毛させた鹿革のことをいいます。
銀面にくらべるとひっかき傷などに弱いというデメリットもありますが、裏面なので元からの傷はなく、美しい製品ができあがります。
セーム革
セームは、本来カモシカの皮を油でなめした革のことを指しますが、シカや山羊などから採取されるセーム革が流通しています。
革ですが、手洗いが可能かつとても細かい汚れ、手垢をふき取ることができるので、楽器・貴金属やカメラなどの精密機械を拭く用途で使われています。
シカの中でも個体の小さなキョンのセーム革が高級品とされ、おもに中国産が出回っています。
まとめ
シカ科の革のことを通称ディアスキンと呼び、ディアスキンの中でも固有名詞をもつ革があること、またディアスキンの加工とその名称、特徴についてご紹介しました。
日本では現在、鳥獣(シカやイノシシ)の急増によって国産のディアスキンレザーも少しずつ出回るようになっています。
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